シーホース紹介


日本シーホース協会
名誉会長 北川 浩司

 シーホースは1949年に故横山 晃氏が設計した全長5mのラウンドボトムタイプのディンギーで、現在約120隻が江ノ島と葉山を中心に、実業団チームが主体になりレースを中心とした活動を行っています。

 シーホースの設計思想は単なるレース艇ではなく、多目的なファミリーボートとして2〜3日のクルージングにも耐えられる安全性とあらゆる状況変化への適応性を持つことでした。艇の開発と同時に行われた、設計者自身による横浜から大島経由式根島までの単独クルージングは、その特性を物語る好例として今なお語り継がれています。

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 デビュー当時はディンギーといえばA級であり、スナイプ級がようやく学生レースに使われ始めた頃で、そこに彗星のごとく現れたシーホースは、姿の美しさと帆走性能の素晴らしさから瞬く間に各地に普及し、1950年に横浜ヨットクラブが誕生、その後、油壺、大阪湾、横須賀、葉山、江ノ島に、また関西の名門京都ヨットクラブにもクラブ艇として採用され、1953年には既に3艇が琵琶湖で帆走を始めています。

 オーナーは、その性格と性能から当初より個人所有に加え、企業の所有も多く、また横須賀の米軍キャンプや米国人宣教師の方たちなど幅広い愛好者に恵まれました。

 シーホースの高性能は偶然生まれたものではなく、ルーツを辿ると幻のオリンピックとなった昭和15年の東京大会に至ります。

 すなわち、この大会のためのレース艇設計メンバーであった横山氏が、戦後その経験を生かして設計したのがシーホースであり、高性能は当然とも言えるわけです。とはいえ、設計後60年にもなろうとする今なお第一線で活躍できる性能には驚くものがあります。

 現在のシーホース活動は企業チーム主体ですが、最近では個人オーナーが増えつつあり、家族や友人同士でチームを編成し活動する例が多くなっています。

 フリートとしては江ノ島、葉山の他に滋賀県琵琶湖、千葉県稲毛があり、最近では大阪湾でも活動が始まっています。

 また長野県野尻湖では米国人宣教師の方がシーホース初期の頃から今なお楽しまれています。

 シーホースのもう一つの特徴は活動的なフリート組織を有していることです。  江ノ島、葉山でのフリート活動は4月から10月迄で、8月を除き毎月2回のポイントレースが行われ、それぞれのフリート選手権大会などが行われています。琵琶湖では京都ヨットクラブや湖翔セーリングクラブの活動が顕著で、春秋の琵琶湖選手権大会も開催されています。

 協会公式レースとしては既に開催50回以上になる全日本選手権大会及び琵琶湖で数年毎の開催でフリート対抗団体レースが行われています。

 レースのレベルは極めて高く、インカレ優勝者を始め、オリンピック候補や各大学の主力選手であった人達が各レースで凌ぎを削っています。

 とはいってもシーホースはトラピーズを使わないことや、3人で乗れることから新人指導が容易であり、社会人となってからヨットを始めた人も多く、これらの人達がレースで上位を取ることも希ではありません。また相当高齢の方達もレースを楽しまれているなど、ファミリーボートとしての性格が今なお脈々と流れ、現在のシーホースサークルの明るく家族的な雰囲気を作っています。    

以 上

添付ファイル: filerace974.GIF 3046件 [詳細]

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Last-modified: 2021-10-13 (水) 09:41:23 (920d)